投げ釣り!東京フロンティアサーフフ 投げ釣りテキスト


シロギスの釣り方(数釣り)
ポイントの選び方

 一見、何の変哲の無いように見える広大な砂浜海岸でも、よく観察してみると色々な変化が見られる.そこで、ポイントの割出し方として3点の事に注目してみる。 まず最初に、周りの地形を観察してみる。これは周辺の地形が、海底までつながっている事が多いからだ。 次に、海岸線の変化を観察してみると、波打ち際が凸凹しているのに気付くはずだ。この地形の変化も海底までつながっている。波打ち際が凹んでいる所は、海岸線に押し寄せてきた波(海水)が、沖に戻る時の引き波でできたリップカレント(払い出しのミゾ)の一部である。このような場所では、沖まで白く泡が伸びていて、この周辺だけさざ波になっているのでポイント選びの目安になる。
 次は、波の立ち方を見てみる。周期的に沖から打ち寄せる波が、毎回決まって盛り上がる所があるはずだ。その下が、かけ上がり・ヨブ(海底の隆起した部分・谷間)なので、その先がポイントとなる。
 以上の3点と潮流の向き・速さを考慮して、海底の様子を想像してポイントを割り出す。投入する時は、ポイントに直接投入しないで、ポイントより先に投入する。

かけ上がり・ヨブ
 波が盛り上がる所・波立つ所は、巻いていたリールが重くなる所でもある。


エサの付け方
 エサは、ジャリメ(イソゴカイ)をメインに使う。 小型のキスが数多くつれる秋口のエサの付け方は、@のように針先を必ず出しタラシを出さずに小さく付ける。エサ取りにフグが多い時は、ハリスの所までジャリメをこきあげない。ハリの横からかじられて、ハリが無くなる確率が高くなるからだ。
 魚影が濃くない所では、Aのように多少大き目に付けて魚に目立たせるようにすると効果がある。この時は、ハリスまでこきあげ真直ぐに付ける。












投入のアドレス

 長い仕掛けをからませないで遠投するには、スリークォータースローが適している。図のように、自分の背中側に仕掛け・オモリ共、砂浜に真直ぐに置く。仕掛けが真直ぐに置かれていないと絡むので注意する。全長が4m以上もある仕掛けを使う事もあるが、その時の仕掛けの先端の位置は、自分より海側になる。


投入後

 オモリが着水したら、すぐに少し道糸にテンションをかける。仕掛けと道糸の絡みを防ぐ為である。その後、テンションを無くし道糸を着底まで送り込み、着底後糸フケを取りサビきはじめる。



サビキの基本

 サビくとは、潮流や波で道糸をたるませる事なく、常に道糸を張ってゆっくりと仕掛けを手前に移動させ、エサを生きて動いているかのように見せ広く探る事である。
 ゆっくりと一定のスピードで引くのがサピきの基本であるが、秋口など水温が高くキス・エサ取りの活性が高い時は、速めにサビき、逆に活性が低い時は、通常よりさらにゆっくりとサビく、という具合に変えていく。
 仕掛けの先の方にだけ魚が釣れてくる時は、サビくスピードが早過ぎで、魚が釣れていて仕掛けが絡んだ状態の時や、ハリを飲み込まれている時、フグ・メゴチが釣れていた時は、サビくスピードが遅過ぎである。キスが仕掛け全体に釣れてくるサビきのスピードをいろいろと試し、その日・その時のキスの活性に合ったサビき方を見つける。また、ポイントと思われる、かけ上がりやヨブ、キスがかかった場所はゆっくりとサビく。これらは、より多くの釣果を得るための重要なテクニックである。
 スピードは、『1分間にハンドル1回転』『1mを10秒で』というように自分なりの基本を決めてみると良い。
 キスの数釣りでは、サビきの途中で「アタリ」があってもアワセは不要で、サビき続けるが「アタリ」のあった距離を道糸の色で記憶するのを忘れてはならない。そして、そのまま同じスピードで10〜15mサビき続ける。これは、追い食いを誘う為と、群れているキスを驚かさない為である。その後スピードを上げてサビき群れから離す。そうする事でポイントを荒らさず、長い時間釣り続けられる。


波がない時のサビき方
 波のない凪の時は、竿をわきに抱えて海岸に横向きに構える。竿の穂先を動かして仕掛けを手前に移動させ、後方まできたらリールを巻きながら竿の穂先を元の場所まで戻す。この時、できるだけ道糸を張った状態を保つため、余った道糸をすばやく巻取りながら、一気に竿の穂先の位置を元の場所に戻す。これを繰り返す。




波が高い時のサビき方



 波が高い時は、竿を立て両脚の間、股にはさみ海岸に真直ぐ構え、穂先を高く上げ波で道糸を叩かれないようにする。サビき方は、竿を動かさずリールで道糸を巻取る。







リールの巻き方
 右利きの人は、左手巻き上げにした方がキャスティングからの一連の動作が、スムーズにいく。最初は、左手巻き上げはぎこちなくなってしまうが、リールを真下に向けないで少しななめに持ちあげぎみにすると、スムーズに巻ける。







取り込み
 取込みの巻上げ(リーリング)スピードは、リールのハンドルを1秒間に1回転ぐらいか、それよりも少し遅いぐらいで行なう。寄せ波に乗ってしまった時は少し速く、逆に引き波に引かれた時は遅くして、常に一定のテンションを掛けるようにすると、魚のバレを防げる。
 PEラインを使用している時の巻取りは、竿をオモリの方向に真直ぐ寝かせ、道糸が竿のガイドにできるだけ当たらないように、竿の弾力で魚・オモリの荷重を殺してしまわないようにして、リールのスプールにテンションを掛けながら巻取る。そうすると、道糸の巻むらが出ず密に巻け、次のキャスティング時にバッククラッシュがおこらない。




波の影響を受ける所まで巻き上げてきたら、元竿をヒジに当て穂先を30°くらい起こす。引き波・魚の反転で魚のバレを防ぐのに竿の弾力で対処する為だ。この時、多少竿を軽めに握っていた方が、対処しやすい。